三重県 大内山川支流 唐子川(からこがわ)
ファーストディセント!?
プットイン:
橋の手前の駐車場(左岸)
テイクアウト:
大内山川合流地点先の線路下(右岸)
コース長:約5.8km
水位:
細野観測所 1.55m→1.40m(久しぶりの雨で減りが早い!)
水質:95点以上
DR所要時間:合計3時間
コース中の堰堤:3箇所
この時期には珍しく、しかも金曜日に雨が降るという大チャンス。
しかしながら、しばらくまとまった雨も降っておらず、水の引きの早さは予想されていたため、行き先は当日まで悩みに悩みました。
しかも午後から予定が入ったため、時間配分すると、現地を10時には出発して戻る必要がありました。(普通は集合時間ですよね・・・)
そんなこんなで、土曜日の午前3時起床で大内山川のナイスな支流を開拓してきました。
実はこの川、10月頃に渇水での降下をやっています。
しかし沢登りが適している程の本当に渇水で、あらゆる瀬で座礁しまくりの低水位での開拓だったため降下の記録が参考にならないと思い、改めて水のある時に降下してレポートしようと考えていました。
しかしながら、実際訪れてみると今回もあんまり増えておらず、前回よりマシでしたが、かなりのテクニカルな開拓ダウンリバーとなりました。
関西のベテランカヤッカーならご存知の宮川支流の薗川(そのかわ)クリーク。
この唐子川は薗川の水源の山を越してほぼ真裏に位置します。
川相的には決してオール岩盤系というものではなく、むしろ中岩・大岩
ゴロゴロ系で、それらが急な勾配の川床に転がっていてハードな瀬を作っています。
瀬の始まりから終わりまでの落差が数mある瀬が数箇所あり、今回のような低水位では段々のドロップですが、増水時はかなりの流速を伴ったパワフルなクリークゲレンデに変化することが予想されます。
数箇所ある大岩下のアンダーカットには要注意で、そのほとんどが流れがもろに当たっていてかなり危険です。
また、ナローなクリークであるため、ログや木々によるストレーナーには注意。
しかしそれとは裏腹にコース中のほぼ全ての区間でエスケープは簡単。
先日の四村川とは大違い。
川にほぼ平行して走っている林道も悪い道ではなく回送も楽チン。
前半2/3でテイクアウトすれば4km程度の堰堤も無いおいしい区間で、機会があればトレーニングとして何本も下ってみたい。
この唐子川の参考水量ですが、コンスタントに雨が降っている時期で、細野観測所の水位が1.5m以上あれば適量と思われます。
ただ、水源が宮川寄りのため、大内山川が増水して宮川が増水していない場合は厳しいかも。
その際は宮川ダム放流量と下流の三瀬谷ダム流入量を比べて宮川支流の流入量およびその付近の雨量も観察する必要があります。
まあ、来年梅雨のシーズンには、このエリアは嫌ってほど降るのでチャンスは大内山川同様多いでしょう。
この日は先日購入したセレクトパドルのクリークテストも兼ねていたのですが、この日のような浅くてロッキーなクリークではブレードが岩にヒットする度に「ガシャン!」と音がしてちょっと不安な気持ちになります。
ダックテープでの保護を怠った事もあり、100m程漕いでスタート地点に歩いて戻り、念のため持ってきたショーグンとチェンジ。
やっぱりこのようなゲレンデではタフなショーグンが頼りになります。
ブレードの大きさが盾のように感じて、岩がらみで落差のある瀬でも肘と胸のラインを前に持っていけるため、良いポジションでボートコントロールできます。
セレクトのW1は水深のあるパワーウォーターやフリースタイルでパフォーマンスを発揮するので、W1のブレードを温存する意味でも今後はきちんと使い分けていこう。
ちなみに切れやスライス性能の良さから、岩の間を縫うようなドローストロークはセレクトパドルが1.5ランク上です。
ボートはジャクソンのヒーロー。
基本的にこのボートは浅い川は苦手なのですが、リカバリー性能が良いため、ログや出っ張った岩などをかわして沈しかけた時も復元し易い。
もちろん腹筋を使ってきちんとボートに乗っている必要がありますが、パドルが使えないような狭いドロップでも、スターン側のボリュームに助けられる場面が何度かありました。
ただ、基本的に横滑りするボートなので、ドロー系のパドリング技術は必須です。
何度も何度も書いていますが、僕自身、このようなすばらしい川を安全に下るために、日々カヤック技術を磨き、先輩方を通じて必要な知識を身に着けていっています。
カヤックをスポーツとしてだけに捉えるのは実にもったいない。
カヤックはこの地球の自然の恵みを自分の力で感じることのできる文明の利器であり、また至高の楽しみだと思っています。
特にこのクリーキングはカヤックの技能以外にも、岩場や斜面を安全に歩くことができる足腰の強さや、知識や判断力、チャレンジする度胸や退く勇気も含めた「頭脳」も試されます。
それに加えチームワークと協調性、しかし相反する自立心も強く求められます。
私を含め、都会に住んで安全が保証された生活を日々送っていると、なんだか五感が鈍り、身も心も退化していっている感じさえします。
無謀な行動を取る人は私も強く非難しますが、緊張感を伴うリバーランニングには、人間力を高める大きな要素があると考えています。
総括すると、この唐子川は勾配がある川のため、増水時にはかなりテンポ良く下れると思うのですが、アンダーカットなど危険箇所が多く、また狭いために大人数での降下には注意が必要です。
しかし適切に水量判断を行い、道路も近く危険箇所の回避を怠らなければとてもナイスなクリークです。
クリークボートとプレイボートの両方を持ってきて、大内山川とのセットなんかやっちゃったらお腹いっぱいになること間違いなし!
大内山川もそうですが、次世代のカヤッカーのために良いゲレンデが開拓できたのではないでしょうか。

早起きの甲斐あって朝6時に現地到着!
紀勢大内山ICから5分の好立地で、ICを降りてすぐのコンビニが広くて集合に便利。

プットイン地点は広々駐車場で着替えも快適!
(早朝で写真の写りが悪かったため、一部先日の写真を使用)






紀伊半島らしい美しい川です。心身ともに癒されます。
上流に集落が無く、非常に水質の良いクリアウォーターでした。
ただ、夏場はこのエリアはヒルが多いかも・・・


見る人が見れば写真でも川の勾配が分かると思います。
しかしながら比較的淵もあり、メリハリのあるドロップ&プール系ともいえます。




ログ・アンダーカット・岩のシーブなど危険箇所がたくさんあります。
大岩の下部がえぐれている箇所が多く、よりによってそのほとんどに流れが直撃しています。
救いなのは川と道路が近く、下見やエスケープがしやすい事。


コース中盤にある核心部。(この日の水位では)
この先がいかにも危なそうに見えますね。
左岸から巻きますが、かなり手前でのエディキャッチが必要。

2m位の落差のドロップの後、流れが正面の岸壁にぶつかり、高い水圧でピローとボイルが発生しています。
左を向いたままノーミスで着水し、うまく漕ぎ抜ければクリアできるでしょうが、ボイルの頂点から右側に落とされて奥のエディに入れられればおそらく自力で脱出不可。
レスキュー体制を取るにも、ちょっと厳しい瀬だと思います。
左岸からアルパインエントリーで(ちょっと高い)入水します。


早朝のダウンリバーのため、朝日の木漏れ日が幻想的でした。
目に映った光景をうまく撮る事ができて良かったです。


向こうに見えるのは薗川の源の総門山です。
経験上、このように隆起によって崖のような岩肌が見えている山の付近は険しい川相である事が多い気がします。


後半は南東に向かって降下する区間があり、午前中は前がまともに見れないくらい眩しい!


コース終盤に大内山川合流まで1.5m程の低い堰堤が3箇所。
どれも巻けますが、一つ目の堰堤前で
良いテイクアウトポイントがあるため次回からはそこで上がろう。
右の写真は天然のドロップですが、増水時巻きが強そう。


終盤、神社の脇のゴルジュを通過していきます。
禊のために一回ロールしておきました。

大内山川合流地点にはこのエリアじゃ有名な大内山牛乳の工場が!
それにしてもこの大内山川は本流も本当に綺麗です。


この日は自転車回送。
空気がおいしく、景色も良いためあっという間にスタート地点へ。
でもスタート地点付近は道にも勾配があるため、ちょときついかも。